2007年12月13日木曜日

昨夜発表された緊急資金供給策について、よくまとまったレポートがありましたので(某米系投資銀行より)そこから抜粋します。

米国FRBは、欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行(SNB)、イングランド銀行(BOE)、カナダ中央銀行(BOC)と協調して、大量の資金を供給することを表明しました。
これは年末までに、金融機関が金利を入札する形式で連銀から直接融資を受けられるようにしたもので、最大400億ドル(4兆円以上)の越年資金を供給する。また更なる追加措置の可能性も残しています。

今回、新たに導入されたものは、TAF(the new Term Auction Facility)と呼ばれるプログラムで、連銀の新たなオペレーション・ツールになります。公定歩合と性格は似ているものの、次の点が異なります。
1. 金利が入札によって決まるため需給状況がより反映され易い
2. 誰が入札したか匿名性が高まるため「最後の貸し手」から借りたという不名誉を浴びなくて済む(あ 
  るいは、市場のうわさによる株価下落などを避けられる?)
TAFは、金融機関の調達コストを低下させるために一段の金融緩和ともいえます。これが機能すればFRBはTAFを恒常的に用いると思われます。

しかしながらTAFは万能薬ではなく、以下の点で疑問が残ります。
1. 今回の供給額で十分足りているか不透明(この点については、追加的措置としての追加供給額の
  可能性もある?)
2. 金融機関の自己資本毀損懸念の解消につながらない
3. 流動性供給が弱体化している実体経済を改善することにはならない(あくまでも対処療法?)

以上のことが論じられていました。参考にしてください。

taken さんからの投稿があり、質問がありました。
1. 自国通貨での供給となるので、その際に自国通貨売りドル買いの取引がおきるのでは?

日経新聞によりますと、BOEはポンドの供給、BOCはカナダドルの供給となっており、ECBとSNBは40億ドルのスワップをFRBと組むことでドルを調達するそうです。ということはECBとスイスはドル資金の供給をおこなうだけなのでしょう。
拙著「外国為替取引」の1章の中で(本文7~8ページ)同じようなケースを論じました。この場合は日本の銀行でしたが、状況としては(不良債権に苦しみ、調達困難に陥る)同じです。
結論として、資金借り入れでなく為替取引により通貨を調達することは異なるリスクを負うことになりますので、余程の事情がなければしないと思います。つまり、貸し出しに用いた資金は資金取引により調達するわけです。
また今回の発表では400億ドルのドルを供給するということで、もしその額が十分なもの(市場で必要とされる額)ならばあえて、為替取引でドルを調達する必要もないわけです。
今ひとつ考えると、先週から今週にかけて高金利通貨などが売られた際、市場ではリスクを削減する方向で説明されていましたが、実はドル調達のための売りだったのかもしれません。米国の投資家の場合はこのケースが考えられます。いわゆるレパトリ(資金還流)というやつです。

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