2007年12月20日木曜日

これまでサブプライム問題に端を発した、米国成長力の減速や資金取引市場での逼迫(信用問題)が先行きの不安心理(年末要因も絡み)と相俟ってここまでの相場を作ってきたわけです。

この間、(1)米政府による5年間の金利凍結(2)FRBによる金利引き下げ(FF金利で計1%)(3)中央銀行による協調資金供給(年末越え資金)などの施策が公表、実施されてきました。

グリーンスパン前FRB議長は、米国がリセッション(2期連続してマイナス成長になること)に陥る可能性は50%と発言しました。この他、元財務長官のサマーズも同じような発言をしています。
市場は先取りしますので、このような空気の中、米当局の更なる利下げを期待することになります。

当初、米国の利下げは米株式にプラスに働きましたが、このところの動きは高いインフレを嫌気する如く弱い基調が続いています。
為替も米国の利下げからドル売り傾向を強めましたが(金利差拡大?)、このところの動きはドルがむしろ強くなってきています。これも年末要因からかもしれません。後ろ向きの「ドル買い」といえます。

冒頭に述べたように、問題は大きく分けて2つあります。
1.)米国の景気減速
2.)世界を覆っている信用収縮

1.)米国の景気減速は、軟着陸ならば大きな問題にならないはずです。むしろ経常赤字に苦しむ米国にとって、ある程度の消費の減退はプラスになります。しかしハードランディングになると、中国などの新興国にも影響を与える可能性があります。今や中国がくしゃみをすると世界中が震撼します。バーナンキ議長の手腕に期待するしかありません。

2.)信用収縮はもっと厄介です。金融取引にとって「流動性のわな」は命取りになります。この結果、年末を前にして、世界中のお金が古巣に戻ろうとしているわけです。これをリパトリエーション(還流)と呼びます。欧州中銀(ECB)は、18日金融市場に3,486億ユーロ(約57兆円!)の資金供給を実施しました。これは、供給額をこれまでの最大にして満期までの期間を2週間と通常の2倍にしてユーロ圏内の金融機関が年越し資金を確保し易いようにしたものです。
これに先立って米国FRB(連邦準備理事会)は新融資制度(TAF)への入札を実施しました。これも越年資金ですが200億ドル(約2兆円)でした。
ECBとFRBのこの問題に対する姿勢が金額の差に表れていると考えています。あるいは認識の差か。
何れにしろこの資金は年明け早々に引き上げられてしまいますので、市場の状況によっては継続も有りなのか注目したいと思います。
これは緊急事態といっても明白な「量的緩和政策」です。日本も2年前まで取っていた政策です。このような政策が継続すると、その通貨は弱くなるといえます。しかし、もともと「流動性のわな」による一時的な欠如を埋めるだけなのだから、そうはならない。といった意見もありそうです。
個人的には、量的緩和政策を取る通貨は「強くはならない」と考えます。
また、このような緊急事態が続くとすると、世界中のリスク・マネーはいよいよ保守的になります。

以上(前置きが長くなりましたが)のことを前提とした上で、以下のことを考えます。

1.)これまで長い間続いてきたことが(つまり傾向として)大きく調整される
2.)「協調流動性供給」は、為替市場の協調介入と同じで、当初の反応は当局の動きに逆行するが、後になって効果は表れる

これまでの傾向とは、ドル安でありコモディティ価格の高騰ですから、調整局面ではこの逆が起こることになります。流動性のわなに陥っている市場は、年末年始の極端に流動性に欠ける状況でどうなるのか。
2月8日にG7が日本で(!?)開かれます。この前後が一つの目安になるのではないでしょうか。その後に市場は安定を取り戻すと考えたいところです。

ということで、私のポジションは変わりません。
すでに2ヶ月間を越えて保有していますが、現在まで毎日「スワップ・ポイント」を払い続けていてもまだ通算でマイナスになっていません!しかし、もうかってもいません。むしろ同時期に逆のポジションでしたら、通算ではそちらの方がプラスになっていました(!)。
言い訳ですが、私がユーロ/円をショートにした時から、この市場の調整は始まっていた、といえるのでしょうか。

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